地球環境に優しく、環境負荷の少ないロジスティクスへの取り組みのことを指す(LogiT.comより参照しLSI作成, 2012年8月現在)。エコ物流、グリーン物流ともいう(以下、GL)。
環境と物流に関する取り決めが政府より採択されたことで、企業間でコンプライアンス意識が高まり、物流関連業者でのGL活動が不可欠となりつつある。
運輸部門のCO2排出量構成比は全体の約20%となっており、他部門の中で産業部門に次ぐ第2位にあり、車両から排出されるCO2がその内訳の約85%を占めている。また、ロジスティクスでは物流拠点における梱包材の3R(Reuse, Reduce, Recycle)など、CO2削減の貢献度が高く、グリーン化領域は幅広く存在していると言える。(参考:グリーン物流パートナーシップ会議(2007))
2009年6月のロジスティクス環境会議によると、政府が推奨している物流分野でのグリーン活動は下記のようなものがあるが、それらを実践する物流企業サイドには、期待される効果と懸念事項との間でジレンマが少なからず生じている。
しかしながら政府からの支援もあって、下記の事例のように、大手企業によって環境負荷低減施策が導入され、実施されている。すなわち、日本のロジスティクスは確実にグリーン化を辿り始めている。
物流という分野には、数多くの環境保護活動の可能領域があることから、今後は、国や地方自治体によるより緻密な環境規制が本格化され、物流関連企業はより一層の環境負荷低減施策の実施が求められることでしょう。
物流企業のホンネで述べたように、従来の物流体制に環境保護の観点を取り入れた新体制を実現させることはコストがかかり、実施が困難である企業が多いという現状も考慮すべき点ですが、GLを取り入れることで、将来的には自社の企業価値向上のみならず、私たちの暮らし(環境)を守り、世代を超えた社会貢献につながることもまた、1つの事実であると言えます。物流企業としては、より長期的な戦略設計が求められているのかもしれません。